日本料理としてすっかりと定着したしゃぶしゃぶは、モンゴルの羊肉料理が起源と言われています。モンゴルの冬は、シベリア寒気団の影響で最低気温はマイナス30度~40度台まで下がります。この環境下ではモンゴル人が常食している羊肉も全て凍ってしまいます。この凍ってしまった羊肉をどうにか食べようと、薄くスライスして湯にくぐらせる料理がしゃぶしゃぶのルーツと言われています。その後、皇帝フビライハンにより中国に伝えられ、宮廷料理として発展しました。それが北京名物の羊肉のしゃぶしゃぶ「シュワンヤンロウ」です。それから時が経ち、第二次世界大戦中に軍医として北京に赴任していた吉田璋也氏が、日本に伝えました。しかし当時の日本では羊肉は手に入らなかったので、代わりに牛肉を使用した「しゃぶしゃぶ」が生まれたのです。そんなしゃぶしゃぶの歴史に思いを馳せながら、繊細でやわらかな仔羊肉をしゃぶしゃぶすれば、新たな羊肉の美味しさを実感していただけるはずです。
中国北京市にある創業1903年のシュワンヤンロウの名店「東来順」にて。
モンゴル、ウランバートルで食べた羊肉と羊の尾脂のしゃぶしゃぶ。
日本では「火鍋=辛い鍋」とイメージされる方が多いと思いますが、中国語では「火鍋=火にかけて煮込みながら食べる鍋料理」を意味します。
中国の国民的料理の火鍋には様々な種類があり、先述したシュワンヤンロウも火鍋の一種です。
火鍋には多種多様な具材が使われますが、その中でも羊肉は特別な存在といえるでしょう。
実は火鍋は羊肉のためにできた鍋という説もあるほど、火鍋と羊肉は相即不離の間柄です。
ぜひ当店の羊肉とお好きな火鍋の素を用意して、おうち火鍋を楽しんでみてはいかかでしょうか。
中国四川省成都で食べた紅湯と白湯の火鍋。もちろん羊肉です。