羊肉100%無塩せき
羊飼いソーセージ
Produce by
continental shepherd
「羊飼いソーセージ」の生みの親
松岡雅流
「羊飼いソーセージ」は生産量が少ないため、世界中から厳選したクオリティーフードを扱う高級スーパーや、羊肉料理専門店でのみ販売されていました。
本場志向の本格的な味わいとクオリティの高さから、一流バイヤーや羊肉のプロ達を魅了する「羊飼いソーセージ」
その魅力を語る上で欠かせないのが
「羊飼いソーセージ」の生みの親であり、羊飼いとして生きる松岡雅流さんの羊哲学です。
彼は、幼少期や学生時代に住んでいたヨーロッパや、旅行で巡ったアラブ圏そして地中海沿岸の国々で羊飼い達に出会い、
その伝統的な移牧文化や生き方に魅了され羊飼いに転身したという異色の経歴の持ち主です。
羊飼い松岡さんと羊達。
松岡さんは幼少期をドイツのブレーメン郊外で過ごし、丘の上に建つ家からは遠くに放牧されている動物達が見えていました。
学生時代にはハンガリーに住みエジプトやトルコを旅し、様々な場所で動物を連れて歩いている人達を見ては興味を惹かれていたそうです。
「社会人になった後、3.11をきっかけに3か月間、地中海を旅し、それぞれの国の風景や羊飼い達との出会いから、再び羊を自由に放牧させる幼少期からの心の原風景を思い起こしました。」
そう語る松岡さんは、帰国後にその原風景を再現するため山を目指し、羊を飼い始めたのです。
松岡さんがギリシャで出会った羊飼い。
羊肉と
真剣に向き合う。
長野の山で羊を飼い始めてからしばらくして、東京のアパレル会社が主催するお祭りでの出店を依頼された松岡さんは、
「山に住む羊飼いが街の人々に羊肉を振舞うのであればどうするべきだろう」と考えました。
そして
「適切な部位の羊肉を最低限の調味料のみで的確に調理する。この方法でこそ羊肉を純粋に提供することができる」という答えを出しました。
そこで松岡さんは料理人経験のある妻の真理子さんに相談をしました。
「羊肉を最もシンプルに味わうのであればハーブとワインと塩胡椒で調理するのが良い」
日常的に羊肉を食べるニュージーランドに4年間住んだ経験のある真理子さんからの助言もあり、羊ロースのハーブ焼を提供することに決まりました。
続いて主催者から「お客さんが多いので、料理とは別に手軽に食べられる物もあった方が良い」という注文があったため、二つ目のメニューを加えることになりました。
松岡さんは「多くの人達に食べてもらうのであれば、本格的な味付けが施されている羊肉の加工食品がいい」という発想から、再び真理子さんと相談して、スパイスとハーブを練りこんだ羊肉のソーセージを作ることにしました。
羊ソーセージから羊肉の良さを引き出すためには、羊以外の畜肉を入れないこと、そして厳選したハーブ・スパイス類を練りこみ、人工的な調味料等を使わないことが大事だと考えました。
こうして、シンプルな味付けの羊肉100%無塩せきソーセージが生まれたのです。
お祭りでは、この二種類のメニューを提供して非常に多くのお客様から好評を得ることができました。
お祭りで人気を博したソーセージをもっと世界に広めたいと考えた松岡さん夫婦は、食品として製品化することにしました。
それぞれがヨーロッパとニュージーランドに長く住んだ経験と、羊飼いをしながら日々生まれるインスピレーションとを活かして、
自分達が良いと感じる世界の羊料理の味を大きく三つに分けて、三種の羊肉ソーセージの開発をはじめました。
そうして生まれたのが、オリジナル・ハーブ・メルゲーズのラインナップです。
辿り着いたのは
オーストラリア産マトン。
ソーセージ作りで最も大切にしたことが羊肉とスパイスのバランスです。
「羊肉とスパイス、これらはそれぞれ味と香りを待ち、両者が混ざり合ったときに一体化し、第三の香りが生まれます。
それら三つが綺麗に合わさることで、羊肉料理でしか味わうことのできない味と香りに昇華されるのです。これぞ羊肉加工の醍醐味です。
その一方で、香りのバランスが重要となり、仕上がりは羊肉の品質に左右されてしまいます」
様々な羊肉で試作した結果、美味で品質が安定しているオーストラリア産のマトンが原材料として選ばれました。
海外で味わったあの感覚を
再現したソーセージ。
羊飼いである松岡さんはソーセージを開発するにあたり、海外で味わってきたさまざまな羊料理をイメージしました。
日本で羊肉といえばジンギスカンが主流ですが、西洋にはハーブやスパイスを加えた薫り高くエキゾチックな味わいを持つ料理がたくさんあります。
「羊飼いとして、ヨーロッパやアラブ圏を主とする西洋の羊肉文化を表現したい」というのが松岡さんの願いでした。
しかし、羊肉は他の畜肉と肉質が違い、羊肉のみで化学調味料も使わずに美味しいソーセージを作ることは非常に難しいのです。
松岡さん夫妻のソーセージ作りは困難を極めましたが、スパイスやハーブの調合から、挽肉の粗さまで試行錯誤を繰り返し、試作を重ね、ようやく満足できるソーセージを完成させました。
「発色材や保存料を使用しない無塩せきのため、一般的なソーセージと比べると賞味期限が短く、素材そのものの色をした素朴な見た目です。価格も決して安くはありません。
しかし、この味わいは羊肉100%の無塩せき以外では表現することができない唯一無二のものだと言えます」
大陸の羊飼い文化を体現。
三種の羊ソーセージを生み出した後、松岡さんは長野県黒姫山の一角を信濃町から借りて、念願の羊飼いを行いました。
冬にはスキー場になる土地を利用するアイディアは、近隣にお住まいだった作家、故C.W.ニコルさんからいただいたものです。
彼のポーランドの友人がスキー場で羊飼いをしていたことから、日本でも可能だとのご意見でした。
松岡さんにとっての「羊飼い」とは、単に羊を飼う人ということではなく「柵のない広い自然の中で、羊の群れを連れ、共に歩きながら羊を飼育している人々」のことです。
彼が調べた限りでは、日本にはそのような飼育例がなかったので、ギリシャとドイツの羊飼いから教えられた方法で挑戦することになりました。
最初は思い通りに羊達を操れずに苦労しましたが、時間をかけて羊達と動き続けるうちに独特の感覚が生まれ、徐々に群れを操れるようになっていきました。
「羊の群れと共に行動し続けていると深い瞑想状態に入り、自分が群れの一頭になったような感覚になります。自分が人間から動物へと返ったような感じで、時間感覚がなくなり、
その代わりに草の匂いや風の動きに敏感になります。そして、草を食べて(羊飼いは立っているだけですが)しばらく止まっては次の場所へ向かって歩くという行為を延々と続けたくなります。
やがていつの間にかもう辺りは暗くなっていて、夕方になったことに気付くのです」
このように感じるようになってから、松岡さんは「これが自分の目指しているものだった」と思ったということです。大陸の羊飼い達も感じているであろうその感覚を得ることが、
この国での彼の心の原風景の再現でした。そのまま、松岡さんはその年の雪が降るまでの間を山で羊の群れと一体となって過ごしました。
地元商業施設での販売や知り合いのレストランへの卸し等を数年間行った後、三種の羊ソーセージは”羊飼いソーセージ”として羊料理専門店や高級スーパーで扱われるようになったのです。
松岡さん夫妻は、美味で高品質の羊ソーセージを世の中に広く供給するために輸入食肉を使うことを決断し、食品流通を行う株式会社を設立しました。会社名は、そのまま”株式会社羊飼い松岡”です。
現在、松岡さんと真理子さんが興した株式会社羊飼い松岡は、大陸の羊飼い達の文化を深く理解し世界に普及することを使命として活動しています。
松岡さん夫妻と羊達。
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