インターネットのカリスマ肉屋 なみかたの店長が貴方の疑問にお答えする疑問氷解質問箱

掲示板に質問を頂戴した物へのお返事を中心に掲載していきます。これで貴方の疑問も一発で氷解です。お気軽にお寄せ下さい。疑問の宛先は、なみかたの店長「行方正男」へメールで送っていただくか、トップページのガイドメニューからお問い合わせに書き込んでください。お待ちしてまーす(^○^)

質問:冷凍とフレッシュの違いは?

下記にも解説しておりますが、いったん冷凍をかけてしまうと、熟成はしません。ですから、冷凍はフレッシュに比べて、若干堅いです。また、凍結時に細胞内の水分が結晶化し細胞膜を壊してしまいます。その水分が解凍時に流れ出してしまうので、ドリップがでるのです。おおむね冷凍物はぱさぱさして堅いお肉が多いです。ただ、マトンやラムの場合は強い癖もうまみの一種ですので、冷凍の方がおいしいという方もいらっしゃいます。私個人的には、焼き肉には冷凍もなかなかいけると思っています。
質問:熟成するってなんですか?
答:お肉は独自の酵素を持っており、時間の経過と共に酵素が肉の繊維を分解しうまみ成分を増加させていきます。熟成が一番良い状態で進むのは3度から5度ぐらいで温度が高ければ腐敗するし、低ければ熟成は進みません。肉によって熟成の日数が違い、鶏は24時間、豚は一週間、牛は3週間、羊は大きさによって違いますが、成羊の35キロのもので10日から2週間を見ています。当店の国産サフォークは冷蔵庫で枝肉のまま熟成させております。この方法はドライエージングと言い、現在ではなかなか採り入れているお肉やさんは減ってしまいましたが、米沢牛のお店では結構ドライエージングをしています。味にこだわるとドライエージングになっていくのです。冷凍してしまえばこの熟成はストップしてしまい、解凍してからは再び熟成をはじめることはありません。
質問:熟成方法での違いは?
答:熟成方法には大きくわけて2種類あります。一つは骨を抜いてから真空パックなどをかけて流通させながら熟成させる方法、ウットエージングまたはバキュームエージングと呼んでいます。もう一つは骨を抜かないで、そのまま冷蔵庫につるして熟成させるドライエージングです。現在の日本の流通量のほとんどがウェットエージングで、利点は
  • 熟成中に重量が減らない(ドライエージングは1割減ります(~_~;)
  • 熟成期間がある程度長いので販売可能期間がふえる。
  • バックして段ポールに詰められるので輸送・保管に好都合
しかし、良いこともあれば悪いこともあるわけで、パックすることによりお肉特有の癖も封じ込めてしまうのです。羊臭いなどの癖だけでなく、肉自体に個体差があり、風味にはばらつきがあります。なかには、かすかに血の臭いやアンモニアの臭いがする物があります。ドライエージングをかければほとんどとんでしまう臭いが封じ込められる。味に違いがでるわけです。
では、簡単に熟成しているかいないかを見分ける方法を教えちゃいましょう。それは、熟成していない場合、肉の赤身が透き通っているんです。だんだん熟成するに連れて透明感が無くなってきます。スーパーで是非注意してみてください。
質問:国産と輸入じゃどう違うの?
答:まず元々の品種が違います。オーストラリアの肉用羊はドーセット種を中心にいろいろな種類を掛け合わせたものが多いですが、国産の物はイギリス原産のサフォーク種がほとんどです。サフォークは元々肉用として開発された品種ですから、味に深みがあっておいしい物です。更に当店の自社牧場で、たっぷりの愛情と、米沢牛と同じ餌を使い、大事に育てた「地物」はそれはそれは脂の甘さが違います。是非一度試してみてください。一番おすすめはしゃぶしゃぶです。

質問:ジンギスカンと言えば丸いお肉じゃないの?

答:ビール園でジンギスカンと言えば、丸い凍ったお肉がでてきますね。あれは、ロールラム(またはロールマトン)と言いまして、 みな同じように見えますが、いろいろ種類があります。
マトンとラムのロールはそれぞれ、(サイドロール、ショルダーロール、レッグロール)などの部位による区分けがあります。また、どこでロールにするかで、現地ロールと、内地ロールがあり、内地ロールは、日本人が脱骨するので丁寧な作業がしてありますが、冷凍で運んだ羊を一回解凍してから骨をぬき、ロールに整形してまた冷凍するという、冷凍解凍の工程がふえてしまうので肉色がパッとしません。肉の癖も若干強くなります。その点現地ロールは冷凍工程が一回だけですので、肉色がよいです。しかし、作業が雑なため、細かい肉片が多く含まれていたり、一概にどちらが良いとは言えませんが、私個人的に内地ロールは問題外だと思っています。まぁ、ロールそのものが問題外なんですけど。あれは、切る側の都合で、端材がでないように丸めた物ですから。焼いているうちに全部バラバラになりますよね。まぁ、そういう物だと言えばそうなんですけど。

質問:たれに漬け込まれたジンギスカンとは違うの?

答:北海道では、ビール園に代表される、たれは後付のジンギスカンと、松尾ジンギスカンに代表される、漬け込みジンギスカンの2種類があって、東の方は漬け込み、西の方は後付が多いと聞きました。たしかに、札幌のジンギスカンやさんは後付が多かったですね。肉の味という物を突き詰めていくと、たれは後付でしょう。やはり、最初からたれに漬け込んでしまえば、風味もへったくれもありません。どんな肉でもたれに漬け込んでしまえばそこそこ食べられるものになってしまいます。その点、後付のじんぎすかんは、もろお肉のグレードがわかってしまいます。肉自体に自信がないと出来ませんね。ただ、当店の義経焼は味を漬け込んでから焼きますが、みそだれをからめた直後に焼いていただくのが一番美味しい方法です。つけ込みではありません。

質問:じんぎすかんなら3人で1キロくらい平気じゃないの?

答:漬け込みジンギスカンなどは、1キロあっても3人で食べられますよね。食べる人なら二人で行けるかもしれない。でもちょっと待ってください。それってお肉が1キロ?たれはどのくらいの分量入っているんですか?3割入っていればお肉は700グラム、3人で食べれば一人二百グラム強です。当店のお肉が量が多いから少なく買ってくださいと明記してあるのは、肉だけで一人前二百グラムだからです。たれの分量は肉とは別です。ここをお間違えないようにお願いいたします。

質問:どうして送料が別なの?

答:送料込みと言うことは、けして送料をサービスしているわけではありません。送料分はちゃんと商品価格に入っています。そして、物を送る場合、今の日本では、運送業者に支払う送料は、遠くに送った方が高いのが普通です。賢明な貴方ならおわかりですね。近くに送るときは送料が1000円、遠くには2000円だったら、送料分をどのくらい商品に上乗せしますか?平均だったら1500円?じゃ、近くの人は5百円も多く払っていることになりますね。送料込みには充分気をつけましょう。中には一番遠い分の運賃を上乗せしている所もあるかも。ご注意ご注意。
<質問:子羊は安全ですか(クーリさんにいただきました。)
現在、妊娠中なのですが、先日、フランス料理を食べたところ、子羊のグリルがでてきました。なかがすこしピンクで柔らかかったのですが、あとから、いろいろな不安が押し寄せてきました。特にトキソプラズマです。羊にはトキソが多いと聞きましたが、汚染された肉が日本にも多く流通しているのでしょうか。なんだかお肉が怖く、妊娠中は食べたくない気分です。
答:トキソプラズマですね。確かに生肉やペットからうつりますからとても怖いのですが、プロの料理人のテクニックで中がピンクだからと言って、全くの生と言うことはなく、きちんと火が通っています。この火入れのテクニックが料理人の技術の見せ所。特に羊はロゼと言って中心部分がピンク色の物が美味しい焼き上がりです。トキソプラズマ原虫は加熱には弱く刺身とかじゃ無ければ本当に心配いりません。

また冷凍すればトキソプラズマは死んでしまうので、一度冷凍をかける方法もあります。-20℃以下の冷凍庫で24時間で死滅します。家庭用ですと-18度以下にはなかなかならないので、その点御注意下さい。ただ、この方法でも細菌は死滅しませんので生食は避けて下さい。ペットの場合は人間とは別ですので、こちらのページでhttps://www.umai.co.jp/nikuya/order/q_a.phpご確認下さい。

続く:随時更新いたします。このほかにも疑問などございましたらお気軽にお寄せ下さい。

2000/02/02 更新